RURUの詩(うた)

流々純一の詩集

くじびき

久しぶりに詩をつくりました。時々過去のことを夢に見ます。夢からさめないでと思う時が時々。いつまでもベッドから起き上がれません。

 

 

くじびき

                           流々純一

当たればすべてを得られ

外れればすべてを失う

そんなくじびきが

ある日突然目の前に現れた

眠い目をこすりながら

しばらくぼうと見ていたが

僕はくじをひかなかった

否、ひけなかったのだろう

何年もたって大人になると

そのからくりがおぼろげに見えてくる

くじをひき損なった僕は

いつまでも、じくじくと悩む

なぜあのとき

あのくじをひけなかったのだろう

あなたはあれ以来

僕と空間を分かち

違う次元に生きている

なぜあのとき

あなたの手を引かなかったのだろう

自分の無力な手のひらを

にぎったりひらいたりして

救えなかったその一つのつながりを

いつまでもいつまでも

思ったり忘れようとしたりして

この高き塔にくらしている

西に眺める山の頂にむかって

僕の電波を世界に広げよと

心の中で念じる

われを異次元に連れて行けと

祈る

 

祈る

 

2015.1.23