RURUの詩(うた)

流々純一の詩集

1.青苗(あおなえ)の海

仕事を離れ、田舎に戻った時に見た風景をイメージした詩です。

 

 

青苗の海

                流々純一

目の前に広がる青苗の海

私は、気高く見渡した。

ここがふるさと、心の源

いつも私といっしょにいてくれた海

蝉と蛙が鳴いている。

 

遠くに見える社の森から

赤い特急列車が青苗の海を渡る。

古びた踏切の余韻は

私をどこにいざなうか。

 

運命という名画を失い

私は自分の意志で

よろめきながら立ち上がる

垂れ穂を夢見る青苗の

その一面の海原に

私の心はざぶりと飛び込んだ。

 

 2014.8.29