RURUの詩(うた)

流々純一の詩集

少し前に知り合いを亡くしました。彼のことを思って作りました。

 

 

高き塔

 

                 流々純一

 

 君何故に逝く。

 若き妻と幼き子を残して。

 君何故に逝く。

 苦楽の後の乾杯のせぬ間に。

 思うに逝ったのは君ではなく

 逝ったのは私である。

 夢の世界に閉じこもった私の死である。

 これから君は生きるだろう。

 全力でその魂を生きるだろう。

 私こそ この死から立ち上がらなければならない。

 私の向き合う君の死は

 君から眺める私の死。

 私は黄泉から立ち上がり

 不毛の生への戦士となる。

 夢と希望の花を咲かせる戦士となる。

 再会しよう、戦の後に。

 乾杯しよう、夢の彼方で。

 魂の涙が大地に流れ

 それは高く巻き上げられて一つの塔となった。

 戦士の私は重い鎧を身につけて

 山を下り平野に散った。

 さらば君。

 高き塔より我を見よ。

   再会するまであとわずか。

 

 2014.9.2